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Aaron’s Bass Hole : Data Corrupter解読

ブログ

Aaron’s Bass Hole : Data Corrupter解読

takahiro tozawa

発売させてからしばらく経つData Corrupter Modulated Monophonic Harmonizing PLLは未だに話題沸騰で賛否両論!めっちゃ好きな人も見るし、試した時に暴れん坊過ぎて笑っただけで終わっちゃう人も居るし。このペダルの話をしているペダルマニア達に熱が入っちゃって、白熱の議論を交わしちゃってるのもネットで見た事有るし。アースクエイカーは罪な奴だなーと思わされましたよ(笑)。もしこのレトロフューチャー系の6オクターブシンセを作るのが犯罪なら、ウチらの事何処かに閉じ込めちゃってください。だって、データコラプターでぶっ飛んだ事が出来るなら、こんな気持ちよい罪悪感を感じるなんてたまには良いでしょ?

バックグラウンドノイズ

The PLL(Phase Locked Loop) 。この電子回路は元々音楽的な物に使う為に開発された物では無いので、エフェクトペダルの間では特殊な存在です。上記のWikipediaの情報によるとPLLの開発に一番最初に着手されたのが、何と1673年!その時期にオランダ人の物理学者、Christiaan Huygensが同期していない二つの振り子時計を、音響的繫がる様に木の棒に一緒に吊るすと、最終的に同期するのを発見しました。

その数世紀後の1932年、イギリスの研究者達がもっと安定したラジオの受信機の開発を進めていた所,不安定な発信器の信号にチューニング可能な”automatic correction signal”(“自動的に修正する信号”とでも訳せるでしょうか)と一緒にすると、元の信号よりさらに安定した、希望の帯域と位相で信号を生み出せる事を発見しました。この後すぐに、ラジオやテレビの信号を強くする為に利用され始めました。

PLLを発明したと紹介される事のあるフランス人の科学者、Henri de Bellescizeが1932年に専門誌、L’Onde Électriqueでその仕組みを発表しています。さらにその数世紀後の70年代初期に、Data Corrupterや楽器等で内蔵されている、基本のPLL回路に使われるICのCD4046 CMOS Phase Locked Loop ICをRCAが開発しました。一番有名なこの回路ですとSchumann PLL.が上げられます。

Schumann PLLはあの“アウト・オブ・コントロール”の様な狂った音で一風変わったミュージシャン達の間で悪評が広まりました。通常の音楽的な楽器から出る波形と比べ、チューニング出来るオシレータ、PLLは新しいシンセの音を作り出しました。周波数を分岐出来るので、オクターブやサブオクターブ、ハーモニクス等を生み出せます。50個前後しか存在しないと噂され、あのケンタウルスの様なカルト的なフォローワを産み、扱いにくいにも関わらず1つのユニットで30万円も出す人も居るくらいです。

Schumann PLL.の使用で一番有名なのはDead Cross、the Locust、Retox、Head Wound CityのJustin Pearson ですね。Jonathan Hischkeと行ったPedals and EffectsでのインタビューでPLLを制作している会社、Schumannとの出会い(アメリカ、ニューヨーク州ブルックリンの楽器店、Main Drag Musicでのみ購入出来る)を語っており彼のバンドthe Locustのレコードの“Safety Second, Body Last”と”Live From the Russian Compaund”で聴けます。

Plague Soundscapes

Data Corrupterは Schumann、Bellescize、Huygens等の先駆者たちの考え方に敬意を払いながらも、通常は通信手段等に使われるPLLの仕組みをコンパクトにまとめ、直感的に使用出来、さらに音を作り易く(でもハプニング的なノイズも期待出来る)様な楽器にデザインしました。

かなりの数の選択肢の多さで敬遠される方も居ると思いますが、信号の流れは以外と簡単なものです。各セクションを独立した物と見れば、3つの独立しハーモナイズされたファズとしてワイルドながらもうまくコントロール出来る楽器になります。

まずはMaster Oscillatorの”Root”スイッチから見てみましょう。使用している楽器の帯域に合う様に“チューニング”するような感じですかね。ベースの場合には個人的“Unison”が一番安定していると思います。ギターリストがネックのハイポジションでなにか弾いてる様な場合は“Root”スイッチを1か2オクターブ下げてみて、弾いている高域に低音部をたしてみたいと思ったりするんじゃないでしょうか?

ここから、“Master Oscillator”のロータリースイッチを利用して上の部分のハーモニーを選択します。こちらは8種類の中から1つ選択出来て、入力された信号のユニゾンから最大で3オクターブ上まで選択出来ます。

次は“Subharmonic”ロータリスイッチ。こちらは1オクターブ下からなんとメッチャ下の3オクターブ下まで!8種のオクターブ信号を選択出来ます。しかも入力された信号のメジャー2ndまで。

こちらの“Subharmonic”部は個別の“Root”スイッチを搭載しており、Subharmonicに入力された信号をUnisonの部分から信号を取るか(低音のオクターブはこちらの方が安定しています)、Oscillatorから取るかを選べます(この際皆さんご存知の、あの荒れ狂ったハーモニクスとエンベロープのフェイズがお互いに混ざり合う音に変貌します!)。

Frequency ModulatorがData Corrupterのとっておきの切り札になります。中央のスイッチで“Vibrato”か“Glide”の選択可能で“Rate”ノブで効き具合を設定します。

“Vibrato”モードではLFOがMaster Oscillatorのピッチを急速に上下させて、Sci-fi映画さながらのレーザービーム光線の様な作られます。“Glide”モードでは、キーボード、シンセ等の鍵盤の端に付いているのピッチの変化が出来るあの機能の様に、音と音の間のピッチが滑らかに変化します。SubharmonicのRootスイッチを“Unison”にセットした場合は Frequency Modulator部はMaster Oscillator部の上のオクターブ音のみに有効です。SubharmonicのRootが“Oscillator”に設定されている時はモジュレーションがオクターブ、上と下どちらにも有効になります。

最後に!Data Corrupterの出力系はミキサーの様になっており、Subharmonic、Oscillator、正方波のファズの各音量をそれぞれ単独で調整できます。Master Levelでペダル全体の音量の調整をします。

ふ〜... 長かったー!

では、肝心の音は?


尋ねる人によっては「データコラプターは壊れたダイアルアップのモデムみたいだ」って人や、「ロボットの殺し合い」、「サイケな世界で猫がレーザービームガンで撃ち合ってる」、「YouTubeのコメント欄で炎上をねらって文句の言い合いをしている奴らみたいな音」と色々有りますが、個人的なお気に入りは「ウンチみたいな音階のオナラの音」ってのです。最後の1個以外は全部正解ですね(G.G. Allinはどう思うか...)。

とにかく!データコラプターはアナログ回路のリッチで、複雑なハーモニーを付けられ、入力された信号のトラッキングが良く音楽的で安定したオシレーターを搭載した物です。どんな風に使うかは貴方次第。以下の5つの物はちょっとした使い方のサンプルです。

サンプル1
 

ここのサウンドサンプルではKalaのU-BASSを使用。アップライトベースの様な低音の押し出しを再現を試してみました。 信号の経由はDarkglass Super Symmetry compressor、 Tronographic Rusty Box preampを通ってデータコラプターに入っています。さらにその信号が SansAmp RBIを通り MOTU 8preに入力されます。DAWにはReaperを使用しています。以下の全てのサンプルは、クリーンシグナルをRusty Boxからラインで取り出し独自のトラックに録音。データコラプターのレコーディングトラックとミックスさせています。

このサンプルのデータコラプターの設定はこちら

  • Master Oscillator Root: Unison
  • Master Oscillator: +2 octaves
  • Frequency Modulator: Glide Mode, Rateは最大
  • Subharmonic: -2 octaves
  • Subharmonic Root: Oscillator
  • Squareは切ってありオフ。SubharmonicとOscillatorは好みで混ぜ込んでいます。

Frequency Modulator(真ん中のスイッチ)で作られるモジュレーションがデータコラプターのsci-fiな雰囲気の気味悪さを演出します。ノートをサステインさせてる時に”Vibrato“側にスイッチを切ると、データーコラプターが狂ったモードに入ります。個人的にはこれを使ってフレーズの間に変化を入れ込むのに効果的だと思います。

サンプル2

ここではU-BASSからElectrical Guitar CompanyのSeries Oneベースに持ち替えてのデモです。音的にはもう少しトラディショナルな音で、他の機材は同じ物です。

このデモではMaster Ocillatorが+2のオクターブ、5thに設定されDr Dreの様なオシレーターを重ねたMoogベースの様な音を作っています。もしこれが雑な演奏に聞こえてたら申し訳ない... もう今夜のカクテルは要らないかも!


このサンプルのデータコラプターの設定はこちら

  • Master Oscillator Root: Unison
  • Master Oscillator: +2 octaves + 5th
  • Frequency Modulator: Glide Mode, Rateはノート間の動きが聞ける様に低く設定
  • Subharmonic: -2 octaves
  • Subharmonic Root: Unison
  • すべて好みで混ぜ込んでいます

SubharmonicのRootをUnisonに設定すると低いオクターブの出方が安定するので、ライブ等でサブスピーカーを思う存分唸らす事が出来るでしょう。そしてFrequency ModulatorのRateを低くすると、ノート間の動きが小さくなるので、G Funkの様なベースラインには持って来いです。


サンプル3

このサンプルはThe LocustのJustin PearsonがPLLを使っている感じからインスピレーションを得たもので、3つのボイスを全て使い、カオスなノイズパンクの様な設定です。

  • Master Oscillator Root: Unison
  • Master Oscillator: +3 octaves
  • Frequency Modulator: Glide Mode, Rateは3時の方向に設定
  • Subharmonic: -3 octaves
  • Subharmonic Root: Oscillator
  • すべて好みで混ぜ込んでいます


サンプル4

ここまでは一応オクターブと5th等、しっかりとした音程の物をFrequency Modulatorの“Vibrato”を使用せず、安全で分かり易いものを演奏しましたが、狂った方向に行って見たいですか?それでは行ってみましょう!
このサンプルでは(Trans Amの“Party in the summer”から少し拝借)Master Ocsillatorのダイアトニックハーモニー、2オクターブアップと7thを利用し、データコラプターの音をもっと落ち着きのない物にする為に、Frequency Modulatorを“Vibrato”モードにしています。Rateの設定は1時の方向です。

  • Master Oscillator Root: Unison
  • Master Oscillator: +2 octaves m7th
  • Frequency Modulator: Rate Mode, Rateは1時の方向に設定
  • Subharmonic: -1 octaves 5th
  • Subharmonic Root: Unison
  • すべて好みで混ぜ込んでいます


サンプル5

最後はこちら!ベースのチューニングをドロップD、データコラプターを正方波のファズ単体として使用してみましょう。中域の上の部分がシッカリ出ているので、ゴリッとしたベースファズとしての使用でもバッチリ。オケの中でもシッカリ音が前に出て来ます。ブルース弾ける様なファズでは無いですが、最初っからそんな事は考えて無いんで!


Aaron Rogers (アーロン・ロジャース)アースクエイカーのPRでコピーライター。フリーランスのサウンドエンジニアとしても活躍し、バンドUltrasphinxでベースを担当。